クロエ：CHLOE
数々の名デザイナーが育てた一流ブランド
クロエは、1952年ギャビーアギヨンによって創設された。ギャビーアギヨンはアレキサンドリア生まれのエジプト 貴族であったが、第２次世界大戦中にエジプトの首都カイロから逃亡しパリに行き着いた。ブランド名はロンゴスの古代小説「ダフニスとクロエにまつわる牧人風のレスボスの物語」を原作とした、バレエ音楽「ダフニスとクロエ」が由来。クロエの美しくて優雅な姿に同調してこの名前をブランド名にしたという。
当時あまり知られていなかったクロエは１９６３年、ヘッドデザイナーとしてカール・ラガーフェルドを任命。ラガーフェルトが作成したフローラルの花柄プリントやシェイプされたデザインが評判を呼びクロエは一躍有名になり、高級プレタポルテ（既製服）での揺ぎ無い地位を確立した。
クロエのバッグの歴史はまだ浅いのだが、ヴィンテージ感とゴージャス感の調和が取れたリラックスしたデザインは多くの女性を虜にして好評を得ている。バッグや小物、香水までを販売するブランドまでに成長したクロエの中でも一番日本人女性が注目しているのは、間違えなくバッグであろう。
クロエは今日まで多くのスタイルの異なるデザイナーによって指揮を取られてきている。80年代半ばから91年まではモロッコ生まれのマルティーヌ・シットボン氏がチーフデザイナーを務めた。92年にラガーフェルド氏が復帰。97年からはラガーフェルド氏に代えて英国人デザイナーでビートルズのポール・マッカートニーを父に持つステラ・マッカートニー氏がチーフに。そして2002年春夏コレクションからはフランス生まれの英国人デザイナーフィービー・フィロ氏が担当している。このようにデザイナーを変えながらも歴史流れるロマンティックでフェミニンなスタイルは変わらないというところもさすがはクロエといったところである。