セリーヌ:CELINE

子供靴から始まった新生ブランド

セリーヌは1980年代に伝統的な上品さやエレガンスを備えた上流階級の人々にふさわしいブランドとして注目され、大きく飛躍したブランドであるが、セリーヌのスタートは子供靴であった。1945年、セリーヌ・ヴィピアナが夫と共にパリに子供靴の専門店をオープンしたのがセリーヌの始まりであった。扱っていたのはベビー用品も含めた子供靴だけであった。自分の子供のために靴を作り始め、そして店をオープンしたのであった。

セリーヌ・ヴィピアナは品質にこだわった。素材は最高級品を使い、フランスやイタリアの一流の皮革職人に製造を依頼した。そうして作られた靴はやがて上流階層を中心に支持を集めいき、子供靴以外の製品も作り始めたのであった。

1959年、婦人靴の分野に進出。馬具のくつわ型の金具を飾りつけた婦人用モカシン靴(もとは北部アメリカの先住民がシカの皮を使用して作った靴)「インカ」を発表、これが大ヒットになりセリーヌの名をヨーロッパ中に広めた。1965年に香水とスカーフ、1966年にはバッグを手がけ、1967年にプレタポルテの分野に進出。当時モードはオートクチュール(オーダーメイド)からプレタポルテ(レディメイド)に推移しつつあった。バッグでは馬車の柄とバックルの「サルキー」が大ヒットした。こうしてセリーヌはミラノのグッチと対抗するブランドにまで成長していったのである。

  
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